知識の泉(糖について)
●かなりマニアックなので興味のある方はどうぞ。
目次
「 1、甘さについて(甘さの感じるおいしさ、甘味の種類、甘さは
どうやって感じるのか)」
@甘みの歴史
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「甘い」という言葉は、日常よく使われ、気分をなごやかにし、ロマンチック
な意味で使われたり、さらに度が過ぎると「甘え」となり好ましくない意味も
ありますよね。
また、甘みに対する嗜好も、人間ばかりでなく多くの動物も持っています。
アメーバなどに砂糖を与えると集まってきて捕食しますが、酢や酸などが
あると逃げようとします。
これは、高等動物においても同様で、砂糖は重要な栄養源であると同時に甘みが
快い感覚の一つであることを示しています。
人類が甘みを知り、これが好ましい味覚であると認識した最初の甘みは果物と、
蜂蜜ではないかと言われています。
100万年に及ぶ氷河期を経て最後のヴェルム氷期が1万5000年前に終わっ
た、そのときの新人からではないか、と言われています。
では、どのようにして蜜を知ったかですが、おそらく熊から教えられたと言われ
ています。
彼らの残した遺跡から発掘される食用にした動物の骨の中に熊の骨が見出される
点から、熊が土中に作る土蜂の巣や木の洞に作られる蜂の巣を襲って、それを好
んで食べる習性を見、知ったと考えられています。
スペインのイベリア半島の洞窟に蜂蜜採取の壁画やエジプトでも蜂蜜採取のレリ
ーフが残されています。
これらの点から先史時代における甘みは、蜂蜜が主流であったと認識できます。
今日私達が砂糖の原料としている甘蔗は、紀元前8000〜1500年ごろに、
ニューギニア周辺でさとうきびが栽培されていたとする説があります。
やがて、さとうきびは、インド大陸に広がり、西はアフリカ大陸へ、東は中国
江南地方から日本へ伝播したとされます。
日本に初めて砂糖が渡来したのは、754年、孝嫌天皇時代中国大陸との輸入が
盛んになったころと推測されています。
当時の砂糖について砂糖、蜜、蘇(乳を発酵させたもの)、乳の4つは滋養薬と
して、また、仏前に出すお供え物として位置付けられていました。
平安時代までは、貴族階級であったとしても甘みは蜂蜜、飴、甘葛、千菓子が
中心であって、当時の砂糖は貴族、豪族といえども薬用または装飾品として珍重
されており、調味料としての砂糖は使用されていなかったといわれています。
鎌倉時代になると、砂糖は薬品の一部として輸入され、菓子の原料、調味料と
して貴族や地方の豪族などの上流階級の人々に珍重されていました。
室町時代末期にようやく民衆に親しまれる食料品になりました。
江戸時代以前の日本の砂糖はすべて外国からの輸入にたよっていました。
江戸時代初期に入ると奄美大島での砂糖製造を得て日本での砂糖製造が始まりま
した。
徳川吉宗の糖業奨励政策より、70年余年経過し甘薯の栽培地も増加し、国産糖
の増加と有利性から水田を薯園に転換する者が増加し、この時代の国産糖は海外
輸入品に劣らぬ良い製品が作られ沖縄も最も盛んな時代であったと考えられます。
安静6年(1859年)横浜を開港し、慶応元年(1865年)に神戸その他を
開港して諸外国と通商貿易を行うようになってから国内製糖業は外糖と競争でき
なくなってしだいに衰退し、明治12年(1879年)に北海道に甜菜糖工場を
創設しましたが失敗に終わりました。
その後、明治28年(1895年)に東京小名木川に日本精製糖会社が設立され
ました。
1900年代の甘薯糖業は甜菜糖の興隆により苦境に立ちましたが、国家の援助
によって打開しました。
第2次世界大戦終了後の日本の状態は極度の食料不足、飢餓状態にあり、日々の
生活は食糧の確保に終始し、砂糖消費量も最低を記録しました。
闇市が隆盛を極め、砂糖もどこからともなく流入して法外な価格で取引きされる
状態になりました。
甘味料も飴や甘酒などは高級品であり、サッカリン、ズルチンなどの人口甘味料
も利用され、未精製で、不純物による食中毒も多く発生しました。
その後、「人口甘味料取締規則」なごの法令が設備され、昭和22年には世界に
冠たる法律「食品衛生法」が制定されました。
この法律の意味は、国民の健康と安全を守る基本の法律として作られ、その後
数回にわたる改正を経て現在に至っています。
新しい物質を食品に添加するためには、製造業者が安全性の証明を行う必要が
あると義務づけ、戦後に生まれたズルチンやチクロなどの合成甘味料も毒性が
問題となり禁止措置がとられました。
1970年代のオイルショックと海外原料粗糖の高騰になり、国内精糖の高騰が
起こりました。
市場では、より安い甘味料を求め、その一現象としてぶどう糖を異性化する
異性化液糖や天然の甘味を有する植物から抽出した甘味料を複合した複合甘味料の
出現という動きが出てきました。
1980年代、世界の砂糖生産高は1億tを突破しました。
日本では、砂糖が貴重薬として記録されてから1200年、あれから砂糖の歴史
は大きく変化しました。
今、私達にある甘みは先人達の知恵や労苦を経て、豊かさを受け取っています。
赤ちゃんの味覚の最初は、甘みだけを許容してその他の味は、すべて拒否します。
その成長過程は、人類の進化の縮図とみることができるといいますが、原始時代の
人類は食物を探す場合、妙な味の物は危険性が高い物とみなして排除していたに
違いありません。
甘みのある物を安全の目安として取り入れてきた結果、人類は今日の繁栄を得た
訳です。
人類が甘いものを好ましい物、安全な物として求めてきた歴史は極めて長かった
ですが、人類が砂糖の味を知って以来ごく最近までその甘みは砂糖の甘みを指す
ことになりました。
戦後の砂糖不足の際にいろいろな甘味料が出現しましたが、どこまで砂糖に似て
いるか、どの程度砂糖に代用できるかが課題でした。
現在はさらに多くの天然および人口甘味料が出回っていますが、砂糖有害論など
で叩かれながらも砂糖は依然として主役の座を譲っていません。
それは、砂糖のもつ役割が甘味料というだけではなく、それ以外に食品加工上
果たしている役割が大きいためです。
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目次
「 1、甘さについて(甘さの感じるおいしさ、甘味の種類、甘さは
どうやって感じるのか)」
A砂糖の機能について
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砂糖を使用した食べ物と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
ケーキやクッキー、あんこにチョコレート、ムースやプリンなど甘さを代表する
お菓子やデザートを思い浮かべることと思います。
お菓子やデザートを作る上で砂糖は欠くことのできない材料であり、砂糖の果た
す役割は非常に大きいのです。
砂糖には、防腐効果があり、細菌が繁殖しにくい状態を作ることができます。
また、菓子に光沢を出したり、加熱してこんがりきつね色の焼き色をつけたり、
香ばしい香りを生むこともできます。
砂糖は水に溶けやすく、他の原料と混合しやすい性質をもち、保水性によって
澱粉のα化の状態を長く持続させて老化防止の役割を果たします。
砂糖は、主成分のショ糖含有量が多いほど高品質とされますが、人間が舌で感じ
る甘さとショ糖含有率とは一致しません。
一般には、ショ糖含有率が高いものほど甘さが淡白に感じられ、灰分
(ミネラル分)が増えるとより濃厚な甘味となります。
砂糖は製法によってそれぞれの特性があるので、これらを生かした製品作りが
大切です。
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現役ゼリー商品開発者の立場として、それぞれの砂糖の機能と、ゼリーに使用し
た経験も含めお伝えしたいと思います。
白双糖 … 結晶が大きくてかたく、無色透明に近い白色。ショ糖がほぼ
100%なので、淡白な軽い甘味があり、高級菓子の上品な甘さを出す場合や、
羊羹、錦玉羹(固い透明ゼリー)に使われます。
中双糖 … 結晶の大きさは白双糖と同じくらいですが、黄褐色をしています。
用途は、煮物や漬物など。
グラニュー糖 … 結晶が細かく、無色透明に近い白色。光沢があり、さらさら
した純度の高い砂糖。一般家庭用(コーヒーや紅茶)に使用されます。
上白糖 … 一般に白砂糖と呼ばれるもので、純白でしっとりしています。
中白糖、三温糖 … 黄褐色の砂糖。味は濃厚で独特の風味があります。
黒砂糖 … 黒褐色の砂糖で、不純物が多く、灰分を多く含み、ショ糖含有量は
低く、独特の豊かな風味とコクがあります。
… これらが一般的な砂糖です。
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ここからは経験の話をしたいと思います。
まず、ゼリーとは、水と固形物(果汁やお茶、果肉など)をゲル化剤
(寒天やゼラチンなど)で固めたものをいいます。
ゼリー作りに砂糖を入れる時は、甘みを目的に入れることと、砂糖の機能でも
触れましたが、砂糖の保水性(水を保つ)を利用して、ゼリーのボディー感
(形を保つ)や、ドリップの防止(ゼリーから水が出る)を、ゲル化剤で固めた
以外に砂糖で補強するという機能を担っています。
さきほど、砂糖の味の特性により、その甘みにあう製品も違ってくるという話を
お伝えしました。
まさに、ゼリーも同様のことが言えます。
白双糖で、作ったゼリーは透明感があり、甘さがすっきりとしているので、味も
上品な感じでした。
グラニュー糖も同じような味でした。
上白糖は、しっとりしている一般家庭用の砂糖でおなじみですが、甘さが強く
ストレートに甘さを感じ、ゼリーにした時おいしいのですが、白双糖とは違い口
に残る甘さでした。
よく、お菓子作りなどにも三温糖やはちみつを使ったレシピがありますよね。
そのレシピなどは、普通の砂糖やグラニュー糖と混ぜたものでしたが、極端な事
が好きな私は、きっと100%で作ったほうが絶対おいしいのに違いない!!
と思い、三温糖も黒糖もはちみつも、それぞれ甘さの部分を100%で作った事
があります。
結果は … おいしくないんですよね~ これは。
不純物(灰分などのミネラル)は、少し感じる程度のほうがおいしいということ
がわかりました。
100%だと、砂糖やはちみつ本来の甘さを感じるというより、雑味
(苦味、エグ味)をとっても強く感じてしまい、味そのものも何の味だかわから
ないという結果となってしまったのです。
黒糖などは、黒糖飴などあるように、味そのものの特徴を出すのならいいのです
が、フルーツ味やコーヒー味などの味にしたい時は、糖そのものの味が強すぎて
本来のしたい味にできないんですね~。
と、いうことは、砂糖は甘いだけでなく、特性を生かしつつ、出すぎない使い方
が大切になってきますね。
ゼリーの商品開発をするのにあたり、まず何味にするのかがポイントです。
その味により、合う甘さが決まってきます。
私の甘さへのこだわりは、素材を引き立て、足りないところを補いおいしさを
アップさせることです。
また、何の食品でもバランスが大事で、食べてみて甘さが足りなかったり甘さが
強すぎたせいで、おいしくなかったりすることがあります。
個人的には、砂糖は私は大好きですが、作る製品によって砂糖以外の甘さも変え
たほうがおいしいと思っております。
フルーツゼリーなどのおいしさ、爽快さを考えるならば、砂糖ではないものの
ほうがおいしいです。
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目次
「 1、甘さについて(甘さの感じるおいしさ、甘味の種類、甘さは
どうやって感じるのか)」
B砂糖以外の甘味料
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甘さのイメージは砂糖であり、おいしさを代表するものと思いますが、
今の市場で、砂糖以外の甘味料が多く出回っているのはなぜでしょう?
昔は、はちみつや砂糖しかありませんでした。しかし、時代とともに
砂糖に対する考え方が、虫歯や肥満をイメージするものになってしまいました。
また、甘さに対して、強い甘さから低い甘さが好まれていて、感じ方も、
「すっきりとした後に残らない甘さ」など、「甘い」という以外に、より繊細な
甘さも追及するようになりました。
作る製品によって、砂糖以外の甘さを使用することで、よりおいしく、甘いもの
は食べたいけど、虫歯やカロリーを気にする人向けの甘味料など、目的、嗜好に
より、甘味料を使用しています。
ここでは、代表的な原料の種類をお伝えします。
1. 天然糖(果糖、蜂蜜、楓糖など)
2. 澱粉糖(ぶどう糖、果糖など)
3. 糖アルコール(エリスリトール、キシリトールなど)
4. 配糖体、誘導体の甘味(羅漢果、ステビアなど)
5. アミノ酸、ペプチド(アスパルテームなど)
6. 蛋白質甘味料(ミラクリン、ソーマチンなど)
7. 人工合成甘味料(スクラロース、アセスルファム−Kなど)
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… ちょっと難しそうな甘味料が並んでいますが、かっこの中の名前はいろいろ
なところで見かけるのではないでしょうか?
製造方法はいろいろあって複雑なので、ここでは甘さの特徴についてお伝え
します。
1.天然の名前のとおり、そのものの味がする甘さです。
蜂蜜(蜂の巣から)、楓糖:メープルシロップ(楓の木の樹液)など、
天然物由来の味とコクのある甘さがあります。
この特徴を生かし、デザートに直接かけて味を楽しんだり、調理時に
ちょっとした味の、コク味つけに使用されます。
2.澱粉(とうもろこしや馬鈴薯からとれる)を原料として、酸や酵素で
加水分解してできる甘味料です。
果糖は、甘い果物を食べた時のような強い甘さで、甘味度
(砂糖を100とした時)は120あり、食べた後、口の中に後を引く甘さ
があります。
ぶどう糖は穏やかで淡い甘さです。
3.エリスリトールは、ぶどう糖が原料で、酵母を用いた発酵により生産され
ます。
キシリトールは、広葉樹や針葉樹を原料とした甘味料で、どちらも吸熱反応
があるので、口の中に入れたとき熱を吸収し、冷たさを感じる甘味です。
エリスリトールは、あっさりとした甘味で、キシリトールは喉にくっつく
ような甘さがある気がします。
4.配糖体とは、糖と別の物質が酸素をはさんで結合している、という状態
です。(難しいですね。)
ステビア(南米原産のキク科)、羅漢果(中国広西省の高低地で栽培の
ウリ科)などがあります。
ステビアは先住民のお茶の甘味づけ、羅漢果は民間薬として使用されて
きました。
天然物の強い甘さの甘味料といいますか、ステビアは砂糖の200倍、
羅漢果は300倍の甘さがあります。
天然物由来の後をひく甘さや苦味も、最近ではとてもよく改善され
(ステビア)清涼飲料やお菓子にも幅広く使用されています。
5.最近はやりのアミノ酸の中にも甘い味を持っているものがあります。
アスパルテームと呼ばれる甘味料は砂糖の200倍の甘さがあり、L−アス
パラギン酸とL−フェニルアラニンの2つの天然アミノ酸の結合品です。
よく、低カロリー甘味料として、お茶に入れるスティックシュガーなど
があります。
もちろん1本でちょうどよい甘さに調整してあります。
6.たんぱく質は、アミノ酸の鎖が特定な形を作ったものですが、アミノ酸
単体にはない1000という単位の甘味は、たんぱく質の構成成分として
実現できます。
世界で一番甘いのは、アフリカ原産のモネリンで、砂糖の約3000倍と
いわれています。
この単体を味わったことはないのですが、良質な甘味で、食べた後数時間は
甘さが口に残ると言われています。(3000倍ですものね)
こちらは、研究用が主で、商品化にはなっていないようです。
また2000倍という甘さのソーマチンは、西アフリカ原産の植物で、
お茶の苦味を消したり、風味を引き立てるのにも使用されています。
7.スクラロースは、砂糖を原料として合成されるノンカロリー甘味料です。
甘さは600倍あり、砂糖に似た甘味で、後引きのない爽やかな甘さです。
アセスルファム−K も合成甘味料で、甘さは200倍あり、ノンカロリーです。
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目次
「 1、甘さについて(甘さの感じるおいしさ、甘味の種類、甘さは
どうやって感じるのか)」
C もっとおいしい!甘味の表現と組み合わせ (1)
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世の中には、甘いものがたくさん出回っていますね。
和菓子、ケーキ、クッキー、キャンディーなどの菓子類、ジャムやマーマ
レードのような糖蔵食品、清涼飲料、果汁飲料のような飲み物もあります。
これらは、甘いものが主体ですが、フルーツゼリーのように果汁感と酸味が
あることで、爽やかさを出し、チョコレートのようにカカオの苦味などと
合わせることにより、それぞれ特徴のあるおいしさを作っています。
また、これらの甘味食品に含まれるしょ糖(砂糖の主成分で、甘味の部分)
量を比べてみますと、それぞれの食品に対する添加量が変わってきます。
*食品100%の中の、しょ糖の割合
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飲み物 (5〜10%)
アイス (10〜20%)
プリン、ゼリー、ケーキ、クッキー (15〜25%)
水ようかん (25〜40%)
ねりようかん、チョコレート (40〜60%)
ジャム (60〜70%)
キャラメル (75%)
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このように、製品によってしょ糖添加量は違うわけですが、食品の舌ざわり、
口ざわりが硬いものほど甘味を強くしないと満足感がありません。
上の表の、上から下に向かって砂糖添加量が多く、その食品もだんだんと
固いものになっています。
例外ですが、ジャムは柔らかさのわりにしょ糖量が多いのは、ジャムは
それだけで食べず、パンなどにつけるためです。
このように甘さの添加量で、それぞれのおいしさを出していますが、
実際は、カロリーや虫歯、発酵性や色などを考えた商品も多いのです。
糖尿病の食事は、カロリーが少ないことが望まれ、子供用菓子は虫歯
予防のための商品があります。
甘いものの商品化を考える時に、
@元となる原料素材(味)
Aテクスチャー(口当たり、食感)
B食べる温度
Cカロリー
D量
を考える必要があります。
今回は、甘味の部分に絞ってお話します。
まず元となる、メインの味を決めます。(例えばフルーツ味のゼリー)
この時に、その素材に合う甘さを決めるのですが、甘さのコクを
出したいのか、すっきりさせたいのか、または、カロリーを調整したい
のか、といったところで、甘味の選定が出てきます。
また、硬さと甘さの関係から、固めのものであれば、少し甘くする
必要も出てきます。
フルーツ味のゼリーの場合、主体が果汁ですので、果汁に含まれる爽快
感、後味の爽やかさを特徴に出したい、となると、砂糖より果糖や
ぶどう糖が良いと思います。
砂糖はご存知、コクのある甘味ですのでこれだけですっきり感を
出したい時には向きません。
よく、プリンやチョコレートプリンなどのデザートに使いますが、
ミルクや油脂たっぷりのものには、砂糖やはちみつなどが合うと
思います。
砂糖は口に入れた時にパッとくる甘さが強いため、味も感じやすく
最初の印象として残りやすく、果糖は食べていてあとから来る
甘味で、爽快感のある甘味ですが最初の印象の甘さには負けて
しまいますので、これらの特徴を混ぜた甘さの表現もおもしろいと
思います。
また、ぶどう糖はパッとしない地味な甘さですが、その分、砂糖と
果糖のくっつけ役のような役割を果たしていると思います。
これは、ゼリーの甘さの一例ですが、他にも市場で出回っている
ものをご紹介したいと思います。
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飲み物 ( 砂糖、ぶどう糖、果糖、これらの混合品(液糖状))
アイス ( 砂糖、水あめ )
プリン、ゼリー ( 砂糖、ぶどう糖、果糖、これらの混合品(液糖状))
クッキー、ケーキ( 砂糖、はちみつ )
水ようかん ( 砂糖 )
ねりようかん、チョコレート ( 砂糖 )
ジャム ( 砂糖 )
キャラメル ( 砂糖、水あめ)
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飲み物、ゼリーなどは、砂糖と果糖とぶどう糖の混合液糖が多いのですが、
それぞれの割合を多くしたり少なくしたりして、甘さの加減を調整できます。
また、乳酸菌飲料や、果汁飲料などありますが全般的にのみ心地のすっきり
感を持たせるため、上記の併用が多いです。
アイスやキャラメルなどは、固さや特徴感を出すために砂糖のほかに
水あめを使用します。
砂糖のみ使用の菓子については、砂糖のなかでも、黒糖やグラニュー糖
和三盆糖など特徴のある砂糖を使用して味を作っています。
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「 1、甘さについて(甘さの感じるおいしさ、甘味の種類、甘さは
どうやって感じるのか)」
Dもっとおいしい!甘味の表現と組み合わせ(機能編)(2)
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甘さは、疲れを癒し、ストレス解消、エネルギー源にもなる、人間になくては
ならないものだと思います。
しかし現在は、昔のように砂糖不足で、砂糖がどうしても欲しい!という程では
ありませんし、逆に肥満や虫歯などのイメージで敬遠されています。
肥満は、摂取したカロリーよりも消費したカロリーが少ないと、体に蓄積され
太る原因となりますが、砂糖が主な原因ではありません。
しかし、砂糖を使ったものは、おいしくてついつい食べ過ぎてしまうので
「砂糖は太る」というイメージがついています。
また、もう食べられないと思っていても、甘いものは食べられてしまうし、
しかも、脂肪とセットになっている菓子も多いので高カロリーです。
このような理由から、砂糖が直接的に太る原因ではなくても、食べ過ぎという
理由で肥満になると思います。
「虫歯」も口内に住む細菌が増殖して歯を溶かすので、甘いものに限らず
食べたものが原因となります。
ただ、砂糖は口内では菌を増殖させるネバネバした物質を作るので、強力な
虫歯のもとになります。
私も、毎日ゼリーを試食しているのですが、前歯で噛んで食べているので、
そこだけが虫歯になってしまうのです。
トホホ…。
定期的な歯医者さんチェックは忘れません。
このように、砂糖はおいしいのですが、いろいろなことを考えると食べるのを
躊躇することだってありますよね。
ただし、目の前においしそうなものがあった時は、あえて心配を打ち消して
食べるのですが…。
そして、砂糖たっぷりのものを食べた時、太るかも、と罪悪感に陥るのです。
罪悪感に陥るくらいなら食べなければいいのにと思いますが、そう簡単には
いきません。
甘いものは食べたいけどカロリーが気になる!
飽食の時代になってしまった現在、世の中は、おいしいものに対する我慢は
できなくなっています。
私は、この時代に無理においしいものを我慢する必要はないと思っています。
だって、このような需要にたいする画期的な甘味料が出始めたのですから!!
「B砂糖以外の甘味料」のところで、合成甘味料についてお伝えしましたが、
これらは、飽食の時代に生きる私達にとって、なくてはならないもの、
と思います。
合成というとイメージは悪いかも知れませんが国で許可しなければ使用でき
ませんし、これらは安全性を考慮した臨床試験などから許可が出たものばかりです。
このような時代に文明の利器を使用しない手はありません。
これらの甘味料は、カロリー減少、虫歯予防、味(後味のすっきり感素材原料の
マスキング)などの改良もできるすばらしい、すぐれた甘味料達なのです。
それでは、具体的に甘味料を使用する商品について説明致します。
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飲み物(コーヒー、果汁飲料、機能性飲料など一般的な飲み物):
スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムk、ステビア
スポーツ飲料 : 果糖、ぶどう糖、
ゼリー飲料 : エリスリトール、高甘味料
ガム : キシリトール、アスパルテーム
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一般的な飲み物については、カロリーを考慮したものに対して添加して
いるものが多いです。
カロリーがちょっと低めの場合は、果糖、ブドウ糖、砂糖と併用で入れる
ものが多く、ノンカロリー、低カロリー飲料は、高甘味料をメインに使用した
ものが多いです。
スポーツ飲料に関しては、激しいスポーツの場合、すぐにエネルギーに変わる
糖を必要とするため、果糖やぶどう糖使用が多く、プラスして持続性の面から
ローヤルゼリーなどが使用されます。
また、このような飲料は低カロリーである必要がないため、高カロリーと
なっています。
普通のゼリー飲料で、カロリーを考慮したものは、低カロリー甘味料を
使用しています。
ガムは、虫歯を意識したものであれば、上記のような甘味料を使用
します。
このように、イメージ重視の商品や機能のある商品については、原料も機能の
あるものを使用しており、摂取する目的に応じた商品を選べることができ
ます。
本当に機能重視だけで、おいしさを考えないのであれば、徹底的に低カロリーな
商品はできます。(しかしおいしくありません)
一般的な商品は、おいしさを考慮しているので、先ほどの肥満や虫歯の、本当の
予防にはならないのに、カロリーはそこそこ、味もおいしく、というものが
多く販売されています。
なんとなくいいのでは、といった、イメージで販売する商品が多いと
思います。
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目次
6、「いろいろな甘さの感じ方」
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6、いろいろな甘さの感じ方
今まで、砂糖から果糖、ぶどう糖、合成甘味料のお話をしてきました。
これらの甘さは、商品に単体で使われることは少なく、組み合わせて
使用しています。
これらの利点としては、以下の6つです。
(1) 各種甘さの欠点を補う。
(2) 単体よりも組み合わせることで甘さの相乗効果がある。
(3) よりおいしさを出すことができる。
(4) 味とカロリーのバランスをみることができる。
(5) 相乗効果のため、コストダウンができる。
(6) 各種糖類の製造上の欠点を補うことができる。
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それでは、各項目についての説明をします。
(1)
各種甘さの欠点を補うというのは、甘さの種類で、後に甘さが持続するもの、
キレが早いもの、合成甘味料特有の甘さだけが強いもの天然甘味料の特徴の
ある味、などをくみあわせることでこれらの欠点を解消することができます。
組み合わせ例としましては、
合成甘味料 + エリスリトール、水あめ(合成甘味料の角のある甘味の解消)
ステビア + エリスリトール、アスパルテーム、スクラロース
(ステビアの後引く甘さの解消)
果糖 + 砂糖、ぶどう糖(果糖の後引く甘さのバランスを整える)
(2)
単体よりも組み合わせることで、甘さの相乗効果があるのは、どちらかというと、
相乗効果、甘さの質を上げるというようなところで効果があります。
砂糖 + 果糖(砂糖のトップにくる甘さに果糖の後にくる甘さでより果汁感を
出すことができる)
スクラロース + アセスルファムK(砂糖と同様トップにくる甘さに後味に
残る甘さを足しバランスが整う)
(3)
よりおいしさを出すことができる、は商品によってだすことが出来ます。
飲み物 … 砂糖+ブドウ糖+果糖(各種甘さの特徴のバランスがよい)
エリスリトール+果糖+スクラロース+アセスルファムK
(果糖の強い甘さと高甘味料で甘さを整えエリスリトールで
高甘味料の角のある甘さをとる)
プリン、ゼリー … 砂糖 +ブドウ糖+果糖(バランスを整える)
(4)
味とカロリーのバランスをみることができるは、Bと同じ高甘味料を使用し
カロリーを下げた時に、エリスリトール、還元水あめなどで甘さを整えます。
また、スクラロースとアセスルファムKのみ使用した0カロリー商品なども
あります。
(5)
コストダウンとは、商品を製造する際砂糖を全部入れて作るよりも、
組み合わせによるおいしさのメリットと、甘さの相乗効果でコストダウン
は可能です。(商売っぽくてごめんなさい)
高甘味料も砂糖とはケタが違う原料価格ですが、使用したほうがだんぜん
お得なんですよ。
(6)
各種糖類の製造上の欠点を補うことができるとは、果糖は熱による色の変化が
激しいので、果糖100%というのは、まれです。
そこで、ぶどう糖や砂糖の混合をしています。
水あめや高甘味料は熱による色の変化はありません。
また、糖類は原料を混ざりやすくしたり溶けやすくする機能もあります。
還元水あめも粘性のある水あめよりもっと水っぽい粘度をおさえたものが
あるので、大量生産するときはとても便利です。
このように甘さの組み合わせは、おいしさを前提に相乗効果や価格などを
考慮できるものなのです。
商品開発に携わっている者にとっては、もちろんおいしさが大前提です。
しかし、おいしさもありつつ、製造上やコストなどをみる必要もありますし、
そういうことも考えながら商品化していくというのも楽しいです。
毎日試食していると、さまざまな甘さを感じます。
最近のテーマは、高甘味料の組み合わせをしていますが、トップの甘さと
最後の甘さはあるのにそれが一緒にならないどこか別なところにあるように
かんじてしまう甘さをくっつけるということをしています。
また、寒くなりましたので同じ物を食べるのにも、夏に比べ甘さが弱く感じ
ます。
チョコレートもたくさん出てきて冬らしくなってきました。
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目次
7、「果汁について(1)飲料」
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果汁は、その名のとおり果物を絞った汁で、家庭ではスクイーザーや
ミキサーでジュースにして飲むと思います。
また、最近はお店で野菜ジュースなどの絞りたてのジュースも数多く売られ
ています。
家庭ではあまりジュースにして飲まない方でも、手軽に生の新鮮な果物や
野菜をそのまま飲めるという利点があります。
スーパーやコンビニエンスストアなどでは、果汁を使ったいろいろな飲料が
あります。
果汁100%や、50〜30%、乳製品が入ったもの、アルコール飲料など
多種多様な飲料があります。
これらの商品化された果実飲料は、果実から絞った果汁を原料として製品化
された単純な商品のようですが、実は以外にデリケートな商品です。
例えば、果実を放置しておくと、柑橘類のようにかなり長持ちするものも
ありますが、日が経つうちに品質が悪くなり、腐敗して食べられなくなって
しまいます。
果汁も果実と同じ性質をもっているので絞ったままの果汁をそのままにして
おくと短日のうちに腐敗・変敗してしまいます。
果実飲料を商品化するためには、こうした問題を解決し、いかに果実特有の
風味、香りの「おいしさ」を保持するか、長期的に保存できるかが課題と
なっています。
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さて、果実飲料の歴史をみますと、伝説的ですがいまから6000年前、
現在のイランかイラクあたりに住んでいたバビロニア人が果実の飲料を飲んだ
というのがその始まりと言われています。
また、中近東、地中海周辺の古代民族の間では、柑橘系の飲料が飲まれたと
いう説があり、ギリシャ神話にネクターが出てくるように、かなり古い時代
から飲まれていたようです。
それから、商業的に製造・販売されるようになったのは、1800年後半から
と言われています。
日本で果実飲料が登場したのは、明治年代になってからです。
明治元年(1868年)に英国人のノースレーが、横浜でレモネードを製造、
販売したのが最初とされています。
明治28年には、和歌山県の名古屋伝八が、うんしゅうみかんを絞ったみかん
果汁を使用した果汁飲料を作りましたが、殺菌が不十分であったため、夏場に
向かい腐敗等によりびんが破裂するトラブルがあり製造は中止されたそうです。
明治・大正時代は、日本でとれる果物の産地から、ぶどうやりんごのジュース
製造がありましたが、明治末期から大正年間の果実飲料は、透明でなければ
ならないという厳しい条件と殺菌技術が確立されていなかったことなど製造技術
の面では、まったく手探りの状態でした。
昭和に入ると、麹や麦芽の酵素を利用し、果汁を透明にする清澄剤が開発され
ました。
昭和20年に第二次世界大戦が終わり、アメリカ軍が日本に進駐し、「コーラ」
や「バヤリースオレンヂ」という名の果実飲料が軍用として持ち込まれました。
昭和24年に「バヤリース・オレンジ」の日本国内における製造販売権を取得
し、アメリカから原液を輸入し、26年からアサヒビールを販売元として全国
販売にふみきりました。
この果実飲料は200mlのビン詰めで、オレンジの色と香りを有し、オレンジ
果汁に似せたイミテーション的ではありましたが、敗戦後間もない頃であり、
現在のような飽食の時代と異なり、甘い菓子類や飲み物に十分でない時代であり、
人気を呼びました。
清涼飲料関係者もこの果実飲料に関心を集め、これが国内の果物を原料にして
同種の果実飲料を製造しようという気運を呼び起こしました。
しかし、第一に問題になるのが原料果汁でした。
当時は外国からの果汁の輸入は禁止されていたので国内で調達するしかありませ
んでした。
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このような事情からみかん産地で生食に不向きな果実を利用した原料果汁の
生産が始まりました。
山口県では凍害による夏みかんの不良果の処理で果汁製造を行いました。
昭和30年代になると、原料用果汁を製造する工場が相次いで稼動しました。
31年には青森県の加工業者がりんごの濃縮果汁の製造を始めました。
また、不二家の「不二家ネクター」は、ももの果肉をすり潰した果汁(ピューレ)
を原料とし、果肉の特徴を生かした果実飲料で、当時の果実飲料は果汁分の低い
製品が主体であったので、本来の果実飲料として人気を呼び、生産量も順調に
伸び、高果汁飲料の先駆的役割を果たしました。
さて、果実飲料の一般的な区分は大きく分けて、直接飲料果実飲料とき釈用果実
飲料に区分されます。
直接飲料果実飲料は、ストレートの飲用のもので、缶詰、ビン詰め、紙容器に
詰められています。
き釈用果実飲料は、水で4〜5倍で薄めて飲料用にするもので、家庭や喫茶店
などの業務用で、コップ式の自動販売機にも利用されています。
JAS規格の区分では、天然果汁、果汁飲料果肉飲料、果汁入り清涼飲料、果粒入り
果実飲料に分かれています。
果実は、生ものをそのまま食べたり、絞って飲むのが一番おいしいと思いますが
ほうっておくと腐ってしまう果実と比べると、気分で飲むことができる果実飲料
や加工用の果汁は保存からみてメリットがあると思います。
ゼリーやデザートなどの加工用原料にも、便利で保存性がきく濃縮果汁が使用
されますが、生のものと加工品では、味がどのように違うのかも次週はみて
いきます。
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7、「果汁について(2)加工用濃縮果汁について」
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前回は、果汁飲料の歴史などをお伝えしました。
果実は、生ものをそのまま食べたり、絞って飲むのが一番おいしいと思いますが
ほうっておくと腐ってしまう果実と比べると、気分や季節に関係なく飲むことが
できる果実飲料や加工用の果汁は保存からみてメリットがあると思います。
生の果物を絞った果汁と濃縮果汁還元品の比較をします。
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生の果物 濃縮果汁還元品
風味 :果物そのものの味がある 味そのものがうすく感じる
酸味 :すっぱく、するどい マイルドな酸味
新鮮さ :フレッシュ感がある 加熱臭(熱による殺菌)がある
コク :あまりない コクや旨みがある
青臭さ :あり 弱まる
色 :自然な色、うすい 色が濃く、おいしそう
飲んだ時:みずみずしい 少し粘度がある
果実感 :さのうの果物の繊維がある さのう感は少ない
保存 :数日で腐る 濃縮状態で冷凍、缶、ビンの
加工で長期間もつ
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生の果汁と濃縮果汁では、風味は新鮮な果物を食べるほうが濃縮果汁還元品より
おいしいと思います。
濃縮果汁は、熱をかけ殺菌をするので、風味が弱まってしまいます。
酸味は、かんきつ類独特のするどい酸味がありますが、濃縮果汁の熱による殺菌
がかかり、風味が弱まると同様、酸味もマイルドになります。
新鮮さは、生の果物でありますが、濃縮果汁は加熱による「イモ臭」とよばれる
さつまいもをふかしたようなにおいが若干あります。
コクとは、加熱による旨みは出てくると思います。
缶入りのトマトジュースなど、生のトマトをジュースにするより、濃縮果汁の
ほうがコクを感じると思います。
これと同様、生の果物にある青臭さ、とくにトロピカルフルーツなど、加熱する
ことにより青臭さが消え飲みやすくなります。
また、飲んだ時は、水を飲むようなさらさらしたみずみずしさがあるのに対し、
濃縮果汁は果物由来の繊維(ペクチン)が多く含まれるので、粘るような感じが
あります。
果実感も、さらさらしたなかに果物のさのうを感じやすいのにたいし、濃縮果汁
は一様にまとめて殺菌、均一化するので、舌触りは変化のない単調な感じです。
保存においては、生の果物は、色が変わったり、腐ってしまいますが、濃縮果汁
は加工すれば、保存がききます。
果汁100%ジュースには、「濃縮還元ジュース」と「ストレートジュース」
があります。
ストレートジュースは、搾った果汁をそのまま冷凍保存したもので、製品化する
場合は、解凍して使用します。
濃縮還元ジュースは、搾った果汁に熱を加えて水分を飛ばし、四分の一から
五分の一に濃縮します。
製品化する場合は、水分を加え100%果汁の濃度に戻して使用します。
ストレート果汁、濃縮還元ジュースともに製品化されるまではドラム缶などの
大型容器に密閉し、保管します。
濃縮還元ジュースは、ストレート果汁よりも、五分の一に濃縮されているため、
保管コストを安く押さえることができ、輸送コストも削減できるというメリット
もあります。
このようなメリットを生かし、濃縮還元ジュースの原料の多くが海外から輸入
されています。
オレンジやグレープフルーツは、日本では取れませんし、1年中飲むことが
できます。
現行の食品表示に関する法律は、どの国の果実を使用したのか、どこで搾汁した
のかを消費者は知ることができませんので、産地などの疑問は直接問い合わせる
しかありません。
このように果汁飲料メーカー、フルーツゼリーメーカーなど、全国展開して
いるメーカーは、出荷量、コスト、使いやすさ、1年中手に入るよさなどから
濃縮果汁を使用しています。
新鮮な果汁と比較すると味の面での差はありますが工業化するためのメリットは
あります。
手間隙かけて、作る高級ゼリーやジュースなどは、個人向けの価格の高い、
限られた人専用の商品になってしまいます。
また、濃縮果汁を使用したから、味が落ちるというものではなく、果汁特有の
青臭さや酸味の改善から、新しい味やもっとおいしい味に方向づけられる
メリットがあります。
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9、果物の組成 (酸味)について
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果物は、レモンや夏みかん、オレンジなどの柑橘類、りんごやもも、
ぶどうなどの落葉果実、パインアップル、マンゴーなどのトロピカル果実
と多岐にあります。
これらの味は、それぞれ特徴的で個性的なフルーツですが、味を決定づける
組成として、酸味の違いによる味の違いが大きいと思います。
酸味と聞くと、ただ酸っぱいだけで、強いか、弱いかの違いだけのような
気がすると思いますが、果物にはそれぞれ味が違うように、酸味の感じ方にも、
違いがあるのです。
例えば、レモンなどのするどい、尖った酸味はクエン酸という酸味が多く
ありますし、りんごなどのおだやかな酸味はリンゴ酸という酸味が多く
含まれています。
果実に含まれる主な果実酸の特徴を下記に記します。
【酸味の特徴】
クエン酸 → 爽快、鋭い、すっきりした酸味で、後にひかない
リンゴ酸 → 穏やかな、あとにひく酸味
酒石酸 → やや渋みのある酸味で、クエン酸よりあとにひかない酸味
【名前の由来】
クエン酸 → 果実や野菜に広く含まれ、特に柑橘系に多く含まれます。
クエンという名は、レモン類の一名です。
リンゴ酸 → 特にりんごに多く含まれ、リンゴ酸はドイツ語の
Apfel(リンゴ)saure(酸)の直訳に由来します。
酒石酸 → 時にぶどうに多く含まれ、ぶどう酒の中から発見された酸です。
ドイツ語ではWein(ぶどう酒)stein(石)saure(酸)と書き、
日本名の酒石酸はここに由来します。
同じ酸味でも、このように酸味の感じ方が違ってきます。
実際の果実の中に含まれる酸味もこのような組成で含まれています。
果実の含まれる酸の種類について下記に記します。
りんご → リンゴ酸、少量のクエン酸
なし → リンゴ酸、芯の部分に多量のクエン酸
いちご → クエン酸
ぶどう → 酒石酸、リンゴ酸
さくらんぼ → リンゴ酸
メロン → クエン酸
パインアップル → クエン酸、リンゴ酸、酒石酸
いかがですか?果実の味から、なんとなく酸味のイメージも感じて
くると思います。
このように、果物に含まれる酸味の組成が違うので、商品として、
いろいろなフルーツの味を作る時には、このような組成も考慮して
酸味を添加したほうがより近い味になると思います。
また、酸味の後味の時間差(酒石酸が早く、リンゴ酸は長い)による
バランスも見逃せません。
口の中に入れてすぐ酸味を感じる場合と、しばらく経ってから感じる場合、
またすぐに酸味が弱まる場合など、果実酸ごとに違いがあります。
このように果実酸の特性をふまえた商品設定が必要です。
また、味の決め手でもう一つポイントなのは、果実酸塩類と呼ばれる
ものです。
煮物や、あんこを煮るときに欠かせない、ひとつまみの塩は、甘さを
強くし、味の補強として使用されますが、酸味にも同様な役割のものが
あります。
クエン酸三ナトリウムと呼ばれるもので、強くなりすぎた酸味を和らげたり、
各酸味のバランスを整えるために必要なものです。
このように、酸味の役割は、甘さとのバランスを保ち、味の特徴を出す
上で、必要なものです。
個人的には、クエン酸の酸味がパッと華やかで好きです。
疲労回復になるともいわれており、市販されていますので手に入りやすい
かと思います。
リンゴ酸は、おだやかといっても酢のような、後に残る酸のにおいが、
くしゃみを誘発するようで、使用する時は、いつもくしゃみの連発です。
ゼリー工房いんね(R)
厚生労働省製造販売許可取得済
食品安全部基準審査課
食安基収第1-134号
固有記号INM(清涼飲料水区分)
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